消火ポンプ

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消火ポンプ

消火ポンプは、湿式・乾式に関係なく消火ポンプは常に充水しておかなければなりません。消火用水源がポンプより下にある場合は皆さんご存じのようにポンプのための呼水槽が必要ですが、水源水位がポンプ設置位置より高い場合は当然この呼水槽はいらなくなりますがその時は、水槽とポンプの間に止水弁とろ過装置(Y型ストレーナー等)が必要になってきます。

 

消火ポンプの吐出側、補給水槽の吐出側又は圧力水槽吐出側、送水口などには止水弁と逆止弁が必要ですが、その付ける順序に注意しなければなりません。止水弁を閉止した際に、逆止弁に管内の水圧が加わると機能が損なわれる場合があるので、併置時は使用箇所に応じて取付けする必要があります。
例えば、
・ポンプ吐出側 → 逆止弁 → 止水弁
・補給水槽 → 止水弁 → 逆止弁
・圧力水槽吐出側 → 止水弁 → 逆止弁
・送水口 → 逆止弁 → 止水弁
となります。

 

ポンプを運転するのに必要な原動機には、電動機・内燃機関・ガスタービン等があるが、法令上では電動機の使用と規定されています。電動機も交流と直流があるが、一般てきには交流電動機が用いられており、出力が大きい三相誘導電動機の特殊かご形のもの、巻線形のものが一般的に用いられます。

 

電動機の始動方式

運転前の電動機に定格電圧を印加すれば大きな起動電流が流れ、電動機の機能に悪影響を与えることになりかねないので、起動時にはその起動電流を極力少なくする必要があります。
交流電動機の始動方式は、大別すると始動時に全電圧を印加し運転する「じか入れ始動方式」と起動電流を少なくするよう減圧して印加する「減圧起動方式」とがあります。
一般的に「じか入れ始動方式」は下のファイル示す 11kW未満の小容量用として設けられ、いずれの方式でもポンプ運転中に、電源が遮断されればポンプは停止しますが、再び給電されれば起動装置を再度操作することなく、直ちにポンプが起動可能な方式が必要であります。どの方式にするかは、自家発電設備等も含めた電気設備の問題にも絡んでくる。方式方式によって一長一短があり、スターデルタ起動方式のように加圧送水装置を停止中は、電動機の巻線に電圧が印加されることのない措置が講じられていることとしています。

 

ポンプには、吐出口直近の主逆止弁の一次側に圧力計を、吸込口直近の箇所に連成計を設けることと<消防法施行規則12-1-7-ハ(ホ)>に規定されています。圧力計は大気圧を基準にするゲージ圧が用いられているので、吸込側は負圧になるので真空計でもよいように思えるが、ポンプには常に水源か呼水装置等との落差により加圧されているので真空計では故障発生の懸念が考えられます。連成計・圧力計をつける理由はポンプの性能試験装置使用時の性能チェックのためです。

 

ポンプ動力の決定

ポンプを駆動する電動機の容量は次式によって求められます。
PS = 0.163 × γ × Q × H ÷ nP
ここで、
PS:電動機の容量 (PS)
γ: 揚液の密度 kg/L(常温清水のとき、γ=1 )
Q: 送水量 (m3/min)
H: 全揚程 (m)
nP: ポンプ効率 (%)
決定する際は、ある程度余裕を見込むので、
PS = PS × (1.1〜1.2)として求めます。

 

水温上昇防止用逃し配管

ポンプの水温上昇防止用逃し配管の目的はポンプが万が一、締切運転(ポンプの吐出側の弁又は消火栓箱内の操作弁を閉止して吐出量を零にした状態で運転すること。)を連続して行った場合において、ポンプ内部の水温が 30゚C を超えないようにするために必要な水量を常時流すための配管です。この逃し配管はポンプ吐出側逆止弁の手前(一次側)に接続し水の放水先は呼水槽になります。(呼水槽がない場合は水源に放水する。)この配管はポンプ性能試験装置配管とは全く別の目的をもつものなので別々に配管する必要があります。

 

ポンプの放水性能

ポンプの放水性能は、JIS B 8301(遠心ポンプ、斜流ポンプおよび軸流ポンプの試験及び検査方法)及び JIS B 8302(ポンプの吐出し量測定方法)に定める方法により試験を行った場合において、特に次の性能を満たしていること。
(1) ポンプの吐出量及び全揚程は、下のファイルに示す揚程曲線図上において、次の条件を満たすこと。
(イ) 定格吐出量における揚程曲線上の全揚程は、定格全揚程の 100% 以上 110%以下であること。
(ロ) 定格吐出量の 150% の吐出量における揚程曲線上の全揚程は、定格吐出量における揚程曲線上の全揚程の 65% 以上であること。
(ハ) 締切全揚程(吐出量を零とした場合における全揚程をいう)は、定格吐出量における揚程曲線上の全揚程の 140% 以下であること。特にこのことがが重要です。

 

 

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