セントラル方式(中央方式)の設計

セントラル方式(中央方式)の設計

@貯湯槽容量の設計

 

 

貯湯槽の有効容量は、時間最大給湯量と等しいと考え貯湯槽の有効容量は槽容量の70%とする。

 

V=Q/0.7

 

ただし、
V:貯湯槽有効容量〔L〕
Q:時間最大給湯量〔L/H〕

 

 

 

A熱源器の加熱能力の設計

 

 

中央方式で貯湯槽を設置している場合の加熱能力Hは保有熱量を考慮し、次の式にて求める。

 

H≧1.167Q{(th1+th2/2)+tc}-1.167V(th1-th2/T)

 

ただし、
H:加熱能力〔Kw〕
th1:給湯最大使用時間開始後の貯湯槽内の湯温〔℃〕(一般に60℃)
th2:給湯最大使用時間終了後の貯湯槽内の湯温〔℃〕(一般に55℃)
tc:給水温度〔℃〕(地域により異なる。)
Q:時間最大給湯量〔L/h〕
V:貯湯槽の有効容量〔L〕
T:時間最大給湯量の継続時間〔h〕

 

 

 

B給湯加熱ポンプの設計

 

 

給湯加熱ポンプの水量は次式にて求める。
W1=(H/Cp×P×Δt)×3,600×(1/60)
=0.0143×H/Δt

 

ただし、
W1:循環水量〔L/min〕
H:給湯負荷〔Kw〕
Cp:水の比熱4.2〔KJ/sK(60℃)〕
P:水の密度1.0〔Kg/L(60℃)〕
Δt:許容温度降下10℃

 

給湯加熱ポンプの揚程は、熱源器及び貯湯槽の圧力損失と配管による圧力損失の和で求める。

 

 

 

C給湯循環ポンプの設計

 

 

給湯循環ポンプの水量は、循環配管における放熱量を考慮して算出する。
下記の式中の狽ヘ管径ごとに算出した放熱量の総和を意味し、さらに直管以外の継手や弁類からの放熱を考慮し1.2倍している

 

W2=0.0143×(1.2派L/Δt)

 

ただし、
W2:循環水量〔L/min〕
h:各配管径の単位長さ(呼び径)当り放熱量〔Kw/m〕(熱伝達率に循環温                   度と室温の差35℃を掛けたもの)
L:各配管径における直管長さ〔m〕
Δt:許容温度降下 5℃

 

給湯循環ポンプの揚程は、配管による圧力損失で求める。

 

 

 

D給湯配管口径の設計

 

 

中央方式における給湯配管(往)の配管径は、同時使用流量より決定する。配管サイズは、配管材料ごとの流量線図より、必要水量を賄い、流速1.5m/s以下、かつ圧力損失0.5Kpa/m以下となるサイズを決定する。器具近傍の末端配管径は、瞬時使用流量を参考に決定すると良い。給湯配管(還:返湯管)は、循環水量W2から算出する場合もあるが通常は表より決定する。

 

 

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