エネルギーの67%は廃熱として捨てられる
原子力発電は、核分裂反応を定常的に起こさせ、その時に発生する膨大な熱でお湯を沸かし、蒸気を発生させ、タービンを廻し、発電します。
この際、タービンを廻す蒸気は高温の方が効率がよく、火力発電では400度の蒸気が使われますが、原子力発電の場合は強い放射線によって機器が損傷されるため、200数十度まで下げられます。
核分裂反応によって発生する熱は2,400度(東京電力によると1700度)にもなるので200数十度の蒸気を得るために、燃料棒の周囲をものすごい勢いで冷却水を流します。ダービンを廻した後の蒸気の熱は復水器で冷やされ温排水として捨てられます。
原子力発電所が必ず海岸か大きな川、湖のそばにあるのは余分な熱を捨てるための冷却水がなければ発電が成り立たないためです。このように原子力発電はエネルギー転換効率が非常に悪い(約30%)発電方法ということになります。(火力発電の場合、コジェネレーションシステムを使うと80%以上の熱を利用出来ます。)すべての教材に原子力発電の長所として「二酸化炭素を出さない」から環境に優しいと書かれていますが、原子力発電所から出される温排水が河川、湖、海の水温を上げ、生態系や環境に悪影響を及ぼしていることは書かれていません。
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